ストレスや心配事による疲労が長期間続いたら
なかなか減らないストレスによる疲れ。ストレス過多の状態が続くとパフォーマンスが低下します。そんな状態を断ち切るのに必要な2つのアクションと、ストレスを減らすことより実は大事なリカバリーについてお伝えします。
長期間続いているストレスは、パフォーマンスの低下に
仕事量はひっきりなしに増え、山を越えたと思ったら次から次にまた別の仕事が。
気をまわして上司が求めていることを聞きだしてつくった提案書が、あっけなく突き返され、どこが問題だったのかフィードバックもない。
怒られてばかりで萎縮してしまった後輩は、ますます壁をつくってしまい、仕事を頼む側の方が気をつかってどっと疲れてしまう。
日々お客さんのため、自己成長のため、チームや職場をよくするためにと働いているのに、なぜかストレスばかり溜まる。
あらゆる努力をしても、解決しないことや、改善されないことに対するストレスが長期間続いたり、明らかに多すぎる仕事量が連日続いたりで、ストレス過多な状態が長く続くと、パフォーマンスは著しく衰えます。
ストレス状態を断ち切るために
自然な動物反応として、私たちがストレスを受けたときには通常、闘争か逃走か(戦うか逃げるか)反応が引き起こされます。
ハーバード大学メディカルスクール教授のハーバート ベンソン博士は、改善されないようなストレス状態を断ち切るためには、リラクセーション反応を引き出すことが有効で、2つのアクションが必要だといいます。
1つめは、日常から離れること。
今やシリコンバレーのエンジニア達の中でも、バーンアウトに陥る人の増加により、休息をとることの大切さが喚起されています。
また、日常を離れるというと、長期休暇を取らなければいけないけれど、それは現実的に難しいし、と思われた方もいるかもしれませんが、必ずしも長期休暇をとらなければいけないというのではなく、大事なのは、「日常の思考回路をストップすること」です。
反復運動を取り入れることで日常から離れる
2つめは、反復するアクティビティに取り組むこと。
1つめの「日常の思考をストップする」ための手段にもなっていますが、「いいか悪いか」、「うまくできたかそうでないか」、等の判断はせず、ただただ一つのことに集中して、穏やかな気持ちの状態をつくります。マインドフルネスや瞑想が注目をされていますが、今アメリカで大人気になっている「こんまり」のときめくお片付けも、「洋服を畳む」行為の中に同様の効果があると言われています。
ストレスを減らすのではなくリカバリー時間をつくる
数年前までハーバード大学で大人気の授業だった「ポジティブ心理学」を教えるタル ベン シャハー氏によると、現代社会で問題なのは、「ストレス」そのものではなく「ストレスから回復する時間の不足」にあるといいます。
筋トレをイメージするとわかりやすいですが、筋肉をつけるためにはトレーニングで細胞を壊すという「ストレスをかける」ことが必要です。その後体を休ませる時間をとることにより、筋肉が増強されます。
つまり、ストレスは必要なものであり、かつそこからの「回復」もまた重要なのです。しかし現実を見てみると、「ストレス」そのものを取り除くことに意識が向かいすぎていたり、受けたストレスからリカバリーする時間や手段をしっかりとっているでしょうか?
タル ベン シャハー氏によると、リカバリー(休息)を3つのレベルでとるようアプローチすることが効果的だといいます。
3レベルでのリカバリー時間のつくり方
micro(ミクロ)レベル: 日常での1~2時間おきの15分休憩
mezzo(メッツォ)ミドルレベル: 日々のよい睡眠または休息の日をとる
macro (マクロ)マクロレベル: まとまった休暇、余暇
ストレスから回復できてないな・・・と思ったら、マインドフルネス瞑想でも、ヨガでも、書くことでも、体を動かすことでも、音楽を聴くことでもいいのですが、実は、編み物もおすすめです。
編み物は、ものをつくるだけでなく、編むという手先を動かす行為そのものにも心を落ち着ける効果があるので、初心者の方や、男性にもトライしてみていただきたいリラクセーション方法です。
おしゃべりとコーヒーでリラックスしてから、黙々とリズムよく編み物をしてみると、1、2時間後にはあら不思議。気分が落ち着き、スッキリした感覚が味わえますよ。
マイテでは、月に2回木曜日の午後に、東京田町にあるSHIBAURA HOUSEという気持ちのいい空間で、ニットカフェを開催しています。 初心者の方におすすめの、「リカバリーキット」もご用意していますので、 ぜひお気軽にご参加ください。