【MAITEのあったかコラム】 #06 責任を負いすぎないこと=信頼すること
こんにちは。
今月も【MAITEのあったかコラム】をお送りします。
【MAITEのあったかコラム】は、MAITE代表の吉田彩子が語り手となって、月に一度、自分を大切にし、目の前にいる誰かを大切にしていくためのコラムです。
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今回のテーマは、「責任を負いすぎないこと=信頼すること」。
コロナ禍に入り、全く行けていなかったペルー。先日ついに、約3年ぶりに、10日間の出張へ行ってきました!
海外はもう全くコロナを気にしていない、というイメージもあると思いますが、そんなこともなく、場所によっては半分くらいの人はマスクをしているし、外出を自粛している方も。
以前と同じように、という世界は、まだしばらくやってこないことを実感しながら過ごしていました。(全体的なマスク率は日本の方が明らかに高いですが)
今回の目的のひとつは、新しい取り組みに向けての新規取引工場を探すこと。
工場も、もちろん稼働はしているものの、さまざまな社会情勢の影響で、生産キャパシティを減らしているところが大半でした。
また、今後の原材料費の値上げを見据えて、今のうちにストックをたくさん揃えていたり、どの工場も、以前よりも経営が大変なのだということがすぐに分かりました。
けれど、その中で良いこともありました。
それは、クリエイティブなことを仕掛けている工場に出会えたこと!
今までは、生地の新しい提案をしても「難しい」と言われることが多かったんです。
原料としては良い素材がたくさんあるけれど、それを活かすための挑戦を、一緒にしてくれる工場が見つからなかった。
でもそこは明らかに違っていました。
前のめりに新しい生地の実現の方法を考えてくれたり、トップダウンではなく、社員がトライできるような環境が整っていたり。
コロナや社会情勢で立ち行かなくなる工場が多いなか、以前の生産量に戻すことを考えるのではなく、別の方法を考えている。
こういったクリエイティブな工場がどんどん出てくるのであれば、それはとてもポジティブなことだな、と思ったのです。
そんな工場視察の最中、私の心境や姿勢にも変化があることに気がつきました。
正直、以前は「仕事の機会を、発注を増やしてあげたい」という思いで、工場とやり取りをしていました。
「買う側であるこちら側が、すべて決めなければ」と、責任を負いすぎていた。
けれど、この現地の工場へ行けない3年を経て、気が付いたのです。
彼らは、私が思うよりももっとずっと強いし、私がその工場や働く人々をどうにかできるわけではない。
だったら、もっと信頼しよう。
何かをしてあげるというマインドではなく、一緒につくる提案をしよう、と。
それが今回のテーマである、「責任を負いすぎないこと=信頼すること」の意味です。
私は、自分のブランドを始める以前は、大手企業の生産工場の担当だったので、工場へ視察へ行くと、どうしても“粗探しマインド“になってしまう癖が抜けません。
ミスはないだろうか。何か抜けているところはないだろうか。
もちろんそれも大事だけれど、そんなところばかり見てしまうと信頼関係は築けません。
ただの受発注の関係を超えて、共感する点があるだろうか。
働いている人たちは楽しそうだろうか。
どんな人たちが働いていて、どんな理念があるのだろうか。
今回は、各工場へそんなことを聞きながら、視察を終えて帰ってきました。
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日本の人たちは、責任感がとても強いのだと思います。
それが素敵なところでもあるけれど、でも、もっと肩の力を抜いても良いのでは?とも思います。
責任感を負いすぎないことは、ネガティブなことではないからです。
それは相手を信頼することであり、思ってもみない、たくさんのことが生まれていくことでもあります。
もうすぐ2023年。
重くて辛い荷物は誰かと一緒に持って、楽しく軽やかにいきましょうね。