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アンデスの山での人々とアルパカの暮らし

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標高4000メートルを超えるアンデス山脈に住み、アルパカやリャマを放牧する牧畜民は、どんな生活をしているのでしょうか?

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アンデスの人々は、「プーナ」と呼ばれる標高4000メートルを超える寒冷な草原地帯で、家畜のエサとなる草を求め湿地などを移動しながらリャマやアルパカと暮らしています。
プーナは、湖、池、沼地、泉、川があり、一年を通して緑が生い茂る土地で、ラクダ科動物が育つにはうってつけの環境です。

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写真:Illariy Threads 4 Dreams

牧畜民は朝になると、石積みの囲いから家畜であるリャマやアルパカを草原に追い立てます。
草の生育などを見ながら放牧先を決めます。草を求め、時には何キロも離れた草原地帯に行くこともあります。
昼間は家畜の群れが草を食べるのを見張りながら女性たちは糸を紡いだり、織物を織ります。そして夕方にはまた囲いに戻します。家畜の飼育は自然の牧草地と雨水に依存しているので、干ばつや水不足など昨今の気候変動の影響を大きく受けています。

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雨季でも暖かい12月から3月にかけて、アルパカの毛刈りが行われます。投げ縄や素手でアルパカを捕まえてナイフやハサミなどで毛を刈り取ります。刈り取った毛は町に持っていって売ります。アルパカの毛を売ることは牧畜民にとって貴重な現金収入。アルパカの毛は手触りの良さから、世界でも最高級繊維の一つとして重宝され、古くから織物の材料として使われてきました。

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牧畜民はリャマやアルパカを古代から価値ある資源とし、肉は食料、骨は針や織物を織る時の道具、毛は繊維や織物、排泄物は燃料として、余すことなく利用してきました。プーナは富士山よりも標高が高く寒冷地帯のため、ジャガイモなどの農作物は育ちません。このため牧畜民はアルパカの毛や織物、チャルキと呼ばれるアルパカやリャマの干し肉などをリャマの背に乗せて運び、川を下った谷間で農作物を作っている農民らと物々交換を行うことでお互いの経済を補完しあってきました。

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現在のペルーでは、人口(約3400万人)の1%余りにあたる約15万世帯が、プーナでの牧畜生活で生計を立てています。
インフラや自動車、携帯電話の普及などで山岳地帯の生活も変化しつつありますが、ペルーは広大であるがゆえに、まだまだそうしたリソースが行き渡ってはいません。
子どもの教育や都会的な生活を求めて高地から低地に下りてくる人もいます。

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それでも、アンデスの先住民にとって家畜は大地の神(パチャママ)から譲り受けたもので、それゆえに大切に扱い、先祖代々受け継がれてきた方法で飼育するという考え方があります。牧畜民は今もその伝統を受け継ぎ、アンデスの厳しい自然にあった生活を続けています。

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参考文献
アンデスのリャマ飼い 稲村哲也文・写真 福音館書店
アンデス高地 山本紀夫編 京都大学学術出版会
ペルー農業省ウェブサイト https://www.midagri.gob.pe
エル・ペルアノ紙 https://elperuano.pe

現地で活動するNGOなどの情報
Illariy Threads 4 Dreams
Fibra Emprendedora


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