【MAITEのあったかコラム】 #08 産後のパートナーシップのこと
こんにちは。
今月も【MAITEのあったかコラム】をお届けします。
【MAITEのあったかコラム】は、MAITE代表の吉田彩子が語り手となって、月に一度、自分を大切にし、目の前にいる誰かを大切にしていくためのコラムです。
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今回のテーマは、産後のパートナーシップのこと。
いま妊娠中の方へ私が出産を経て感じていることをお伝えしたいな、と思います。
皆さんは、NPO法人マドレボニータの『産後白書』という冊子を知っていますか?
(リンク https://www.madrebonita.com/sangohakusyo4 )
上記リンクのHPで全ページ無料公開されているのですが、この冊子、これから子どもを迎える人たちには全員に読んでほしいと思うほど、隅々まで網羅された素晴らしい冊子なのです。
私が特に衝撃を受けたのは「パートナーシップ」について書かれている章。
それまで私は、「産後の生活」に対する認識は、個人差はあれど、パートナーとはある程度一緒なのでは、と思っていました。
でも、この冊子を見ると、「あれ?そもそもやっぱり、産後に対するパートナーとの認識の違いって、あるのかも?」ということが、データとしてありありと見えてくるのです。
例えば、産後アンケートで頻繁に出てきたビッグワードを拾っていくと、女性は「伝える/話す/家事」など“コミュニケーション”を表すワードがたくさん出てきたのに対して、男性は「資産運用/効率化/メリハリ」など、“経済”を表すワードばかり、とか。
また、コミュニケーションの満足度も男女で違います。
女性は「もっと話したい」と答える人が多いのに対し、男性は「満足」と答える人が多いようです。
もしかして、とは思っていたものの、「産後の考え方って、こんなにも個人差があるのかー!」と驚きました。
一般論のみならず、データで示してくれると、おぉ、と思いますよね。
もちろん、だからどっちがどう、という話ではありません。
まずはお互いに、そもそもパートナーとは頭の中が違う、ということを知っていることが大事なのでは、と思います。
そうすると、相手が「いまこれが一番良いと思う行動」をしたとして、例えばそれが求めているものと違っても、脳のつくりの違いとして認識ができます。(そう認識したとして、イライラしないわけではないですが!)
パートナーとの個人差だけでなく、産後鬱に対する認識も強く持っていただきたい、とも思います。
実際、心理学的にも、産後には鬱になりうる要素が満載です。
「自分だけは大丈夫」と思わずに、まずは情報として事前に知っておいて。頼れる場所はどこか、先に調べておいてください。
それによって避けられることが、きっとあると思います。
そして、やっぱりパートナーや家族との「対話」が大切だとも思います。
第一子を妊娠中の方は、この期間にぜひ、パートナーの方とたくさん対話をしてください。
お互いにゆっくり対話をする時間が取れなくなるのが産後です。
ちょっとしたずれやお互いの認識の差は、先に確認し合っていた方が良いのではないかと思います。
産後1年のパートナーシップがその後の離婚率につながる、という話をよく耳にします。
実際にはその限りではないし、離婚が悪いことでもないと思いますが、それは男女どちらも1つの事実として知っておいても良いですよね。
「話したいけれどどう話していいか分からない」という方は、パートナーと一緒に参加する産前セッションに参加するのも手。
参加しちゃえば、強制的に対話する時間を取ることになりますから。
それに家で2人っきりで話すとうまくいかないことも、他の誰かがいることで冷静になり、スムーズにいくこともあります。
他の人の例を聞けると、共感も安心も生まれます。
先にご紹介したマドレボニータでも両親学級を定期開催しているようです。
https://www.madrebonita.com/parenting-class
春からは、また新たにマタニティカップルを対象としたプログラムを開催予定だそう。進捗情報は団体の公式SNSをチェックしてみてくださいね。
産後は、赤ちゃんを迎えることで、今までとは違う新しい生活が始まります。
まずは情報を知っておくこと、そして対話すること。
今妊娠中の方、この2つには、ぜひたっぷりと時間をとってくださいね。そしてもちろん、温かくして、美味しいものをたっぷり食べて、ゆっくり寝て。たくさん人に頼りましょうね!